この記事では、Pythonライブラリ「pywinauto」を使用して、Windowsアプリケーションの操作を自動化する方法を詳しく解説します。マウスの操作に焦点を当て、インストールから応用例まで、初心者でも理解できるように丁寧に説明します。
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pywinautoライブラリのインストール
「pywinauto」は、WindowsアプリケーションのGUI操作を自動化するためのPythonライブラリです。まず、Python環境に「pywinauto」をインストールします。
pip install pywinauto
このコマンドを実行すると、必要なパッケージがインストールされます。
ライブラリのインポート
次に、「pywinauto」のモジュールをインポートします。「mouse」モジュールを利用することで、マウス操作を簡単に行えます。
import pywinauto.mouse
import pywinauto.application
上記のコードは、マウス操作やアプリケーション操作に必要なモジュールをインポートします。
アプリケーションの起動
対象となるアプリケーションを起動します。「pywinauto.application」のApplicationクラスを使用します。
app = pywinauto.application.Application().start("notepad.exe")
ここでは「メモ帳」を例にしていますが、他のアプリケーションでも同様に操作可能です。
マウス位置の取得
現在のマウスカーソル位置を取得する方法を説明します。
from pywinauto.mouse import get_cursor_pos
position = get_cursor_pos()
print(f"現在のマウス位置: {position}")
このコードを実行すると、マウスカーソルの現在位置(x, y座標)が取得できます。
マウス位置の設定
操作対象のアプリケーション上の特定の位置を指定します。
target_position = (500, 300) # x=500, y=300の位置を指定
指定した座標を後のマウス操作で使用します。
マウスカーソルの移動
「move」関数を使って、カーソルを指定した位置に移動します。
from pywinauto.mouse import move
move(coords=target_position)
このコードにより、カーソルが指定した位置に移動します。
- coords (タプル形式, 必須)
- 移動先の座標を
(x, y)
の形式で指定します。 - 画面左上を原点
(0, 0)
とした絶対座標です。 - 例:
coords=(500, 300)
で x=500, y=300 の位置に移動。
- 移動先の座標を
- duration (float, オプション)
- マウスカーソルを移動する際にかける時間(秒)を指定します。
- デフォルト値は
0.0
(瞬時に移動)。 - 正の値を指定すると、指定した秒数をかけてスムーズに移動します。
- 例:
duration=2.0
でカーソルを2秒かけて移動。
マウスクリックの実行
指定した位置でマウスクリックを行います。
from pywinauto.mouse import click
click(button='left', coords=target_position)
ボタンの引数には「left」「right」「middle」を指定できます。
- button (文字列, オプション)
- クリックするマウスボタンを指定します。
- 指定可能な値:
'left'
: 左クリック (デフォルト値)'right'
: 右クリック'middle'
: 中ボタン(ホイールクリック)
- 例:
button='right'
で右クリック。
- coords (タプル形式, オプション)
- クリック位置を指定します。
- 画面左上を原点
(0, 0)
とした絶対座標。 - 指定しない場合は、現在のカーソル位置が使用されます。
- 例:
coords=(500, 300)
で x=500, y=300 の位置をクリック。
- double (bool, オプション)
- ダブルクリックを行うかどうかを指定します。
- デフォルト値は
False
。 - 例:
double=True
でダブルクリック。
ダブルクリックの実行
次に、ダブルクリック操作を実行します。
from pywinauto.mouse import double_click
double_click(button='left', coords=target_position)
「double_click」を使うことで、簡単にダブルクリックを実行できます。
右クリックの実行
右クリックを実行する方法です。
click(button='right', coords=target_position)
これにより、右クリックメニューを開くことができます。
ドラッグアンドドロップの実行
ドラッグアンドドロップ操作を行うには、「drag_and_drop」関数を使用します。
from pywinauto.mouse import drag_and_drop
start_position = (400, 300)
end_position = (600, 400)
drag_and_drop(start=start_position, end=end_position)
開始位置から終了位置までマウスをドラッグします。
- start (タプル形式, 必須)
- ドラッグを開始する位置を
(x, y)
の形式で指定します。 - 画面左上を原点
(0, 0)
とした絶対座標です。 - 例:
start=(400, 300)
で x=400, y=300 からドラッグ開始。
- ドラッグを開始する位置を
- end (タプル形式, 必須)
- ドロップする位置を
(x, y)
の形式で指定します。 - 画面左上を原点
(0, 0)
とした絶対座標です。 - 例:
end=(600, 400)
で x=600, y=400 にドロップ。
- ドロップする位置を
- button (文字列, オプション)
- ドラッグに使用するマウスボタンを指定します。
- 指定可能な値:
'left'
: 左ボタン (デフォルト値)'right'
: 右ボタン'middle'
: 中ボタン(ホイールクリック)
- 例:
button='right'
で右ボタンを使用。
- pressed (float, オプション)
- ドラッグ中にマウスボタンを押し続ける時間(秒)を指定します。
- デフォルト値は
0.0
。 - 例:
pressed=1.0
で 1 秒間ボタンを押し続けてからドロップ。
マウスホイールの操作
マウスホイールを上下に動かす操作を行います。
from pywinauto.mouse import scroll
scroll(coords=target_position, wheel_dist=5) # 上に5回分スクロール
「wheel_dist」を負の値にすると下方向にスクロールします。
アプリケーションの終了
操作が終了したら、アプリケーションを閉じます。
app.kill()
これにより、アプリケーションが安全に終了します。
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