Windowsアプリの自動化を実現！pywinautoでウィンドウ操作をマスター

目次

1. pywinautoとは？
   1. pywinautoでできること
   2. pywinautoとほかのRPAライブラリとの違い
   3. なぜpywinautoを選ぶべきなのか
2. インストール方法
   1. Pythonのバージョン
   2. インストール手順
3. ウィンドウの最大化・最小化・アクティブ化
   1. ウィンドウを最大化する方法
   2. ウィンドウを最小化する方法
   3. ウィンドウをアクティブ化する方法
   4. まとめ
4. ウィンドウの移動
   1. ウィンドウを特定の座標に移動する方法
   2. ウィンドウの位置を相対的に変更する方法
   3. 活用例
   4. まとめ

pywinautoとは？

pywinautoは、PythonでWindowsアプリケーションを自動化するためのライブラリです。WindowsのGUIアプリケーションの操作をスクリプト化することで、業務の効率化やテストの自動化が可能になります。マウスクリックやキーボード入力、ウィンドウの移動・サイズ変更といった基本操作から、より高度なUI要素の操作まで幅広くサポートしています。

pywinautoでできること

• アプリケーションの起動・終了
• ボタンのクリックやテキストボックスへの入力
• リストやドロップダウンメニューの操作
• ウィンドウやダイアログの管理
• UI要素のプロパティ取得

これらの機能を活用することで、手動操作を完全に置き換えられるスクリプトを作成できます。

pywinautoとほかのRPAライブラリとの違い

近年、RPAツールとして有名なものには、UiPathやBlue Prism、Automation Anywhereなどがあります。これらのツールと比較した場合、pywinautoには以下のような特徴があります。

特徴	詳細
1. プログラミングベースでの柔軟性	pywinautoは完全にコードベースで動作するため、GUIベースで操作するRPAツールに比べて、細かい制御が可能です。一方で、プログラミングの知識が必要なため、初心者にはハードルが高いかもしれません。
2. 完全無料・オープンソース	pywinautoはオープンソースであり、完全無料で利用できます。有償のRPAツールと異なり、ライセンス費用を気にせずに利用できるのが大きな利点です。
3. Windowsアプリケーションに特化	pywinautoはWindows専用のツールであり、特にネイティブアプリケーションの操作に強みを持っています。Webアプリケーションの自動化を主目的とする場合は、SeleniumやPlaywrightといったツールの方が適しています。
4. 軽量でシンプル	他の大規模なRPAツールに比べ、pywinautoはインストールが簡単で、すぐに使い始められます。開発プロジェクトに組み込みやすく、小規模なタスクの自動化にも向いています。

なぜpywinautoを選ぶべきなのか

もしあなたが、Windowsアプリケーションの自動化に特化したシンプルなソリューションを探しているなら、pywinautoは最適な選択肢です。特に以下のニーズを持つ場合におすすめです。

• 無料で使えるツールを探している
• 細かいカスタマイズやプログラミングが必要
• ネイティブなWindowsアプリケーションの操作が中心

RPA--PYWINAUTO

「RPA--PYWINAUTO」の記事一覧です。

yotablog.net

pip install pywinauto

import pywinauto
print(pywinauto.__version__)

ウィンドウの最大化・最小化・アクティブ化

Windowsアプリケーションの自動化を行う際に、最初に覚えておきたいのが「ウィンドウの最大化」「最小化」「アクティブ化」といった基本操作です。これらの操作は、作業対象のウィンドウを特定し、制御するための前提となる操作です。このセクションでは、pywinautoを使ったこれらの基本操作をコード例とともに解説します。

ウィンドウを最大化する方法

pywinautoを使うと、ウィンドウを簡単に最大化できます。以下は、メモ帳（Notepad）のウィンドウを最大化する例です。

from pywinauto import Application

# メモ帳を起動
app = Application(backend="uia").start("notepad.exe")

# メモ帳のウィンドウを取得
dlg = app.window(title="無題 - メモ帳")

# ウィンドウを最大化
dlg.maximize()

print("ウィンドウを最大化しました！")

上記のコードでは、maximize()メソッドを使用してウィンドウを画面いっぱいに広げています。デスクトップ作業でアプリケーションを目立たせたいときに便利です。

ウィンドウを最小化する方法

ウィンドウをタスクバーに格納する最小化操作も簡単に行えます。次のコード例を見てみましょう。

# ウィンドウを最小化
dlg.minimize()

print("ウィンドウを最小化しました！")

このコードは、特定のウィンドウを最小化してデスクトップの作業スペースを確保したい場合に役立ちます。

ウィンドウをアクティブ化する方法

特定のウィンドウをアクティブ化（フォーカスを当てる）したい場合は、set_focus()メソッドを使用します。以下にその例を示します。

# ウィンドウをアクティブ化
dlg.set_focus()

print("ウィンドウをアクティブ化しました！")

このコードを実行すると、対象のウィンドウが最前面に表示され、操作が可能な状態になります。複数のアプリケーションを操作する場合に非常に便利です。

まとめ

最大化、最小化、アクティブ化は、ウィンドウ操作の中でも特に基本的で重要な操作です。pywinautoを使えば、これらの操作を簡単に実行できるため、デスクトップ作業の効率化やタスクの自動化がよりスムーズになります。次は、ウィンドウの位置を変更する応用的な操作について解説します。

ウィンドウの移動

基本操作である「最大化」「最小化」「アクティブ化」に続いて、ウィンドウの位置を変更する方法を解説します。これにより、特定のウィンドウをデスクトップの指定した位置に配置したり、位置を微調整することが可能になります。以下では、ウィンドウを特定の座標に移動する方法と、相対的に位置を変更する方法をコード例を交えて紹介します。

ウィンドウを特定の座標に移動する方法

ウィンドウをデスクトップの指定した位置に移動するには、move_window()メソッドを使用します。このメソッドでは、ウィンドウの左上座標（x, y）と幅・高さを指定します。

from pywinauto import Application

# メモ帳を起動
app = Application(backend="uia").start("notepad.exe")

# メモ帳のウィンドウを取得
dlg = app.window(title="無題 - メモ帳")

# ウィンドウを特定の座標 (100, 100) に移動し、サイズを指定
dlg.move_window(x=100, y=100, width=800, height=600)

print("ウィンドウを指定の位置に移動しました！")

このコードでは、ウィンドウを画面上の (100, 100) の位置に配置し、幅800px、高さ600pxのサイズに設定しています。特定の位置にウィンドウを固定して作業したい場合に便利です。

ウィンドウの位置を相対的に変更する方法

現在のウィンドウ位置を基準に、相対的に移動させるには、位置を取得してから新しい座標を計算し、move_window()メソッドを使用します。

# 現在の位置を取得し、相対的に移動
current_rect = dlg.rectangle()  # 現在のウィンドウの位置とサイズを取得
new_x = current_rect.left + 50  # 現在のx座標に50ピクセル右へ移動
new_y = current_rect.top + 50   # 現在のy座標に50ピクセル下へ移動

# 新しい位置にウィンドウを移動
dlg.move_window(x=new_x, y=new_y, width=current_rect.width(), height=current_rect.height())

print("ウィンドウを相対的に移動しました！")

このコードでは、ウィンドウを現在の位置から右に50ピクセル、下に50ピクセル移動しています。複数のウィンドウを整理したり、微調整したい場合に役立ちます。

活用例

ウィンドウの位置を変更する操作は、以下のようなシナリオで活用できます：

• 複数のウィンドウを効率的に並べて表示する（例：マルチタスク作業環境の構築）
• 特定のアプリケーションを常に一定の位置に固定する
• プレゼンテーションやデモ用にウィンドウを自動配置する

まとめ

ウィンドウを移動する操作は、画面上のレイアウトやウィンドウ管理を効率化するための強力なツールです。pywinautoを使用することで、これらの操作をスクリプト化し、作業環境を自動的に整理できます。基本操作と組み合わせることで、さらに便利な自動化スクリプトを作成できます。